アントレプレナーシップ・エデュケーター道場

お知らせ

2014/10/10

クラシックピアニスト佐藤由美・ゆみのすけ後援会ニューズレターに投稿しました(第2号)

「いのちありて」
9月初旬、<ゆみのすけ>が「愛知からの音便り」と題するコンサートで、被災地である茨城県高萩市、宮城県東松島市、石巻市を訪れました。これは<ゆみのすけ>が先の大震災を機に制作した『東日本大震災 復興への祈り』の収益金を全額充て、続けている活動です。
被災地の復興活動に関わるには、相当な「覚悟」が必要です。なぜなら、新たな「未来を築く」プロセスに参加し、歯車として一つの役割を担うということでもあるからです。だからこそ人は、自分に何ができるかを逡巡し、加わるカタチを見つけ、実働とともに生きる意味を問い直し、覚醒するのでしょう。非日常から日常にもどった後、彼らは元気を与えるマントを纏ったように柔軟になり強くもなっています。
そしてもう一つ。「死」という現実を直視することになるからです。私の手元に昭和47年に自費出版された一冊の本があります。『いのちありて』と題するこの手記に、「生は難き、死は易し」という一節が出てきます。大病を乗り越えた著者が、「戦後人命の尊重が叫ばれているにもかかわらず、人の命をあやめ、己の命を断つ人が少なくない」世を憂い、「命を軽んじ何の人生があろうか」との思いから記しています。天災による死はこれとは異なるものの、かえって、この手記で問う「悪戦苦闘を重ねる『生』」という本質とそれを意識できる幸せを噛み締めさせてくれます。
そんな<ゆみのすけ>に包まれた被災地の方々は、「<ゆみのすけ>魂の治療処」で回生(かいせい)への歩を強めたことを期待しましょう。11月11日には、<ゆみのすけ>が当地にてお目見えします。多くの方と電気文化会館ザ・コンサートホールにてお会いできることを楽しみにしています。
文:鵜飼宏成

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