アントレプレナーシップ・エデュケーター道場

お知らせ

2010/02/16

人の成長が起点。私が人にこだわる理由。

大学入試広報の仕事の一環で、取材を受ける機会を得た。以下は、「研究テーマ・取り組みの内容」、「専門分野に対する想い」等の質問に用意したメモである。思いつくままに書きなぐった感は否めないが、今の私の素直な気持ちが出ているともいえる。ご笑読いただければ幸いである。
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研究テーマは、アントレプレナーシップ教育あるいはアントレプレナー育成。アントレプレナーとは起業家もしくは企業内起業家。私の仕事は、新しい事を起こす人に寄り添い、起こすプロセスを支援。心理面、事業内容面、思考のプロセス、マッチング等、多面的な領域にわたる支援。結局、人が育つ場のあり方と支援方法を研究している。教育機関にいながら、「教えない起業家教育」を実現するための研究を、日々考え、試し、発見し、考え、修正し、また考え、試し、発見し・・・・・の繰り返し。
最近、やっと今まで見えていなかったことが見えるようになってきた。教育の場は、学徒、内外の支援者による関係性の網(ウェブ)だ。点と点を行き交う情報が、その場にいる人の想いと一体化していると教えなくても自立的に人は育つ。でも、人が一体化できない問題を抱えていると情報がうまく流れない。問題を取り除くヒントを与え、見守り、応援し続けることが、教えない起業家教育の本質かもしれない。その問題、情報が流れないように壁となっているものが見えるようになったと言ってもよいだろう。
先日、従姉の歯科医(開業医)と話していて自分の特長に改めて気付いた。ちなみに彼女の医院、予約が1カ月先まで埋まってしまうほどの人気。自分のやりたいように考え、実践した結果である。そんな彼女が「経営って、教えてもらうものなのだろうか?」と私に尋ねたことがある。彼女の本音は「私はよくよく考え、信念を持って取り組んできた。私の周りの人たちは、成功する経営を教えてもらおうとしている。経営を最初から教えてもらおうとしている人たちは、よくよく考えていない。そもそも、誰にでも通用する経営ってないんじゃないの・・・?」である。
そんな問に対し、私は「同じ技術を修得しても、育ちも人生観も違う人が全く同じ経営を行うことができると考えるのには無理がある。ましてや、営む場所が異なれば環境の要因も異なる。だから、人に寄り添うことが基本だ。僕は人を見ている。」と返答した。この続きを言えば、「人の関心や特徴に注意し、本来その人に備わっているであろう想いや技を引き出していく。そして、他と結びつき進化するよう支援する。教えるのではない。」
では、なぜ、私は人にこだわるのか?変えることができるのは未来だけ。未来を変えることができるのは人。企業等の組織も働く人の成長とともに成長する。企業が成長するから人が成長するわけではない。同じように、未来が成長するから人が成長するわけではない。人の成長が起点である。

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